・・という捨て台詞を吐き、インドとの合弁を白紙撤回した企業は、60-70%にのぼるという調査結果が出た。
https://insideiim.com/why-do-indian-joint-ventures-fail-views-from-prabhakar/

インドの有名コンサルタントの先生がまとめたレポートの内容。
ざっくりと紹介したい。

実例1.Tata Docomo
むしろこちらの記事のほうがわかりやすい。
http://koneta.blog.jp/archives/5811978.html
http://toyokeizai.net/articles/-/161121

実例2. ランバクシー - 第一三共
こちらも、日本の経済誌に詳しく載っている。
http://toyokeizai.net/articles/-/30618
http://toyokeizai.net/articles/-/34803

上記2件をダイジェストにまとめ、ついでに日本からの新幹線輸出にも『地雷』が潜んでいると警告するブルームバーグの記事。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170125/mcb1701250500007-n1.htm

日本側企業は巨大なインド市場に大きな期待を寄せ、インド側は日本の投資と技術を呼び込もうと一生懸命袖を引く。
鳴り物入りで派手にJVや投資してみたものの、実際に走り出してみたら、日本企業にとっては『話が違う!』『聞いてないよ~』の連続。
インド市場で収益を上げるどころか、投資分を回収する見込みも立たず、巨額の損失を出して撤退・・という最低の結末。

なぜこんな事態に?
ハイデラバードのビジネススクールの先生は、3つの要因を指摘した。

要因1 文化・慣習の違い
これはいろんなところで指摘されている。
ビジネス慣習やマネジメント文化、あらゆるところが日印では大きく違う。
投資や契約の前に、十分な計画が練られておらず、最悪のシナリオまで考えていないこともあり。
インド側は、このプロジェクトはきっと儲かる、中東やアフリカやヨーロッパへの拠点ともなる、投資分は数年で回収できる・・などと、矢継ぎ早にいいことづくめを説明。
日本側は、それをすべて真に受けてしまう。冷静に一歩引いて、疑いを持って考えることが十分にできなかったケース。

日本だけが甘いと言えないこともある。
どこかで書いたかもしれないが、インド人は都合の悪いことは徹底的に隠す。それが巧妙すぎて、誰も見破られないケースもあり。
トラブルや欠陥の隠蔽などは日常茶飯事、悪いとも思っていない。そんなところを、私自身も何度も目撃してきた。
JVの話が持ち上がるとき、実はインド側の財務状況は大赤字だったりするのだが、日本人の前では1ミクロンたりとも、金の無い雰囲気は出さない。
知り合いの会社でも、インド企業とJV締結したところ、一気に財務状況が傾いたところがある。
幸いにも、親会社のバックアップなどで損失補てんはできたが、赤字解消までに9年かかったとか。
JV話が進む中、インド企業の情報を取り、財務チェックも入れ、慎重にやってたはずだ。悪い話は一つも上がって来なかった。
なのにフタを開けてみると、不良債権や負債や赤字という名の魑魅魍魎がこんにちは♪・・って、これはホラーだと思う。
日本側からすると、なぜ正直に言わないんだ、詐欺ではないか、となるのだが、インド側にはそんな意識はない。
都合の悪いことを自分からぺらぺらしゃべるわけないでしょ、サインしたのはすべて合意した上でしょ?と言う。

要因2 エゴ
インド側の企業の代表は、日本側の担当者 - たとえば新規事業部長とか海外事業部長 - そういった立場の人々を見下すのだそうだ。
これは私も遭遇したことがある。非常に不愉快である。窓口担当の心証を悪くさせて、誰得?
私は数カ国のJV案件にかかわってきたが、こういう態度を取るのはインドともう1カ国だけ。
カーストとか、外国人には負けないぞ!みたいなプライドがあるのだろうか?
あったとしても、それを露骨に出すのは一流のビジネスマンとは言えず、子供じみている。
日本人からすると意味がわからない。

要因3  ルールを守らない
インド人がルールを守るようになったらそれはもうインドではなくなるが、ビジネスではそうも言ってられない。
インドでもここ数年、コンプライアンスの概念が浸透しつつある。レポートによると企業の76%は、賄賂や腐敗防止のためのプログラムを実施しているとか。
それ自体はとても良いことなのだが、でもそれはあくまでもペーパーの上。
儲かるためなら何をしてもよい、という意識はまだ残ったまま。つまりコンプライアンスの意識はまだ完全には浸透していない。
それを外国企業とのJVでもやってしまうので、パートナーとの信頼関係が崩れるもとになるのだ。
E&Yは、『多くの企業が、詐欺・贈収賄・腐敗のリスク管理に苦労している』と指摘している。

以上の要因は、『インドJVあるある』の典型例に過ぎない。
もっとおぞましい実例は、たくさんあるだろうと思う。


ハイデラバードのビジネススクールの先生は、こう締めくくる;
JV設立すると、新しい技術や市場を得られたりで、インドに得なことが多い。
なのに、インド側の意識不足でみすみす機会損失するのはもったいない。
今のインドは、外資系企業とのJVに依存しないと世界的プレイヤーになれない状態なのに・・。

まことにごもっともで、インドの企業家やビジネスパーソンたちがみんなそれを理解してくれたら、どれだけやりやすくなるだろう。

インド人の短所はいろいろある。
ビジネスに関係するところでは、
- 目先の利益優先
- 後先考えない
- 計画的にできない
- 自分のことしか考えない
- 相手の話は聞かない
- 都合の悪いことは隠す
・・って、日本人にとってはどれも無理だらけではないか。
そういうところがJVをぶっ壊し、外資企業から『インド人嘘800』と言われ、自分たちの首を絞めることになるのだが。
でもそれは4000年経っても直らないので、これからも直る見込みは薄いのだろうな・・

そういう短所はスルーし、インド人が騒ごうとも、淡々と自分たちのほうに利益を引っ張る。
そのくらいの鋼メンタルが無いと、インドでビジネスなんてできないってことか…
大丈夫か日本企業。

ちなみに。
インド商人は中華商人やユダヤ商人と並んで、強かだと言われてるが、それは少し違うと思う。
インド人の辞書には、深謀遠慮という言葉はないのではないか?
策を弄しても底が浅いし、子供っぽい。
なのであまり怖がる必要はないが、言ってることの一言一句まで、ひたすら疑ってかかるのが無難かもしれない。